「だましさえ避けられれば」と思うことはありませんか。水平線を抜けた後に戻る場面は、終わったチャートなら見つけやすいものです。しかし、抜けた直後には、そのまま進む場合と戻る場合の両方が残っています。
この記事では、だましを誰かに意図的にだまされた証拠とは扱いません。「採用した突破の条件を満たした後、観察する期間内に元の側へ戻った」という記録上の言葉として考えます。すべてを事前に見抜く方法を紹介するものではありません。
同じ「だまし」でも、見ている現象が違う
まず、足が作られている途中で線を越えたものの、足の終わりには元の側へ戻った例があります。終値で突破を判定するなら、その足は条件を満たしていません。一方、終値が線を越えて確定した後に、次の足以降で戻る例もあります。こちらは終値の確定を待っても起きます。
両方を混ぜて「確定まで待てばだましはなくなる」と説明するのは適切ではありません。足の途中の行き来を記録から除けても、確定後の逆行をなくすことはできません。待つ条件を増やすと、その間に価格が離れてしまう場合もあります。
| 場面 | 終値判定での記録 | 注意点 |
|---|---|---|
| 途中で越え、終値は元の側 | その足は突破条件に未達 | 未確定の形を確定扱いしない |
| 終値で越え、後の足で戻る | 条件成立後に逆行 | 確定待ちでも失敗が残る |
| 終値で越え、観察期間内は元に戻らない | 期間内に戻りなし | その後も続く保証はない |
途中まで同じでも、その先は2通りある
すでに引いてあった150.00円の水平線を、1時間足終値150.08円で上に抜けたとします。次の架空図では、その時点までの経路は共通です。右側を隠して見ると、上へ続くAか、下へ戻るBかを図だけで決めることはできません。
Bを最後まで見た後なら、「抜けても続かなかった」と説明できます。でもその結果を知っている状態で、最初の足に決定的な欠点があったと決め付けるのは後知恵です。AとBが同じ地点から分かれる図は、将来の不確かさを学ぶための模式図で、各結果の起こりやすさを示していません。
戻るまでの期間を、後から伸ばさない
3本後までに戻ればだましと数えるのか、当日中なのか、1週間後も含めるのかで結果は変わります。「どこかで戻ったら全部だまし」にすると、どの期間を検証したのか分からなくなります。反対に、うまくいった例だけ短く切り取って成功にするのも避けます。
練習では、線の基準、突破の判定、元へ戻ったとする条件、観察本数を先に決めます。たとえば「1時間終値が線の上で確定した後、3本以内の終値が線の下へ戻ったか」を記録できます。これは分類例であり、3本という数字を売買へ推奨する意味ではありません。価格帯を使うなら、帯のどちら側まで戻れば該当するかも決めます。
条件を足せば、避けられる?
長い時間足の方向、ローソク足の形、ほかの指標などを一緒に見ることはできます。ただし、条件がそろえばだましがなくなるわけではありません。同じ価格から作った指標が複数ある場合、それぞれを完全に別の証拠として数えることもできません。
過去の失敗を見るたびに新しい条件を足すと、その過去だけに説明が合うルールになりがちです。追加した条件を検討するなら、以前と同じ期間・価格種別・費用条件で比べ、さらに別の期間でも確認する必要があります。少ない例だけで「精度が上がった」と表現することは避けましょう。
この教材では、条件ごとの優劣や勝率は測定していません。図の2通りを示したことから、半々の確率だと考えることもできません。
だましを知った後に大切なこと
見抜くことより、想定が違ったときの扱いを先に整理しましょう。どの状態なら見立てをやめるのか、取引をするなら数量と想定損失をどう考えるのかを分けて書きます。線の下へ戻った後で線を下げ続けると、最初の条件が失われてしまいます。
一度の損失を取り返すために、直後の反対方向へ数量を増やして入り直す必要はありません。戻った動きもまた反転する可能性があります。感情が強いときは画面から離れ、注文を増やさず観察を終えることも選択肢です。
損切りを決めても、指定した価格での成立は保証されません。値動きや約定のずれ、費用で損失は変わります。だましの説明だけで損失が管理できたと考えず、資金管理と合わせて学びます。
記録の見直しでは、線を選んだ日時が値動きより前かも確かめます。結果を見てから最も合う価格へ引いた線では、実際にその場面で迷わず判断できたかは分かりません。先に引いた候補が外れた場合も、元の画像を残しておくと、後から説明を合わせた箇所に気付きやすくなります。
練習:結果を見る前のメモを残そう
終値が線を上回った直後、「まだ戻る場合もある」と記録しました。3本後には上昇していました。最初のメモは間違いでしょうか。
答えと考え方を見る
間違いとは言えません。その時点で複数の可能性を残した記録です。結果を知った後に「上昇すると最初から分かっていた」と書き換えず、当時の判断と後の結果を並べます。予測が当たったかだけでなく、決めた条件を一貫して使えたかを確認しましょう。
未来を隠した状態の画像と、決めた本数だけ進めた画像を組にして保存すると、当時見えていなかった情報を区別できます。うまく説明できない場面も削除せず「判断保留」と残してかまいません。
学習を取引につなげる前に
線の読み方が分かっても、利益が出ると決まるわけではありません。損切り注文も希望する価格で成立する保証はなく、相場の急変などで損失が想定より大きくなることがあります。取引をしないまま、紙上で値動きを記録する練習もできます。
数量と値幅の関係は許容損失と損切り幅から取引数量を考える記事で確認できます。学ぶ順番に迷ったらFXの学びノートのホームへ戻ってください。
取引のリスクは金融庁のFXに関する注意事項も確認してください。この記事は一般的な学習情報で、個別の売買を勧めるものではありません。
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